退職して起業するまでの社会保険切替
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代表取締役等住所非表示措置とは
代表取締役等住所非表示措置とは、 公的機関から取得可能な会社情報の中にある、
代表取締役の自宅住所を非表示にするものです。
完全非表示ではなく、以下の写真のように、番地が表示されない措置です。
筆者の場合だと「区」までの表示になります。
※モザイク加工は筆者が実施したものです
誰に対して非表示になる?
この会社情報は、誰が入手できるのでしょうか。
なんと
誰でもです。
ここでは具体的な方法は記しませんが、
オンライン申請して数百円出せば、誰でも
好きな会社社長の自宅住所を入手できるのです。
筆者はこれを知った時に背筋が凍りました。
つまり、
会社社長の自宅住所は全国公開されています。
ここについては次回の記事で、より突っ込んで意見を述べる予定です。
その状況において、自社がそれを回避するための措置が、代表取締役等住所非表示措置です。
代表取締役等住所非表示措置を申し出るために必要なもの
代表取締役等住所非表示措置を申し出るためには以下が必要です。
長い専門用語が並んでいますが、具体的な取得方法を順次解説します。
- 株式会社設立登記申請書に代表取締役等住所非表示措置を講ずるよう申し出る旨の追加記載
- 株式会社が受取人として記載された配達証明書及び郵便物受領証
- 実質的支配者の本人特定事項についての申告受理及び認証証明書
株式会社設立登記申請書に記載の追加
株式会社設立登記申請書については、
代表取締役等住所非表示措置を講ずるよう申し出る旨の追加記載が必要です。
法務省指定の決まった文言が
ここにありますので、追加記載します。
内容を抜粋すると以下の通りです。
- 代表取締役等住所非表示措置を講ずるよう申し出る旨
- 以下の必要書類を添付する旨
- 株式会社が受取人として記載された配達証明書及び郵便物受領証
- 印鑑証明書
- 実質的支配者の本人特定事項についての申告受理及び認証証明書
これらを含めた
株式会社設立登記申請書のサンプルを
こちらに用意しました。
必要に応じてお使いください。
印鑑証明書の追加取得は不要
印鑑証明書は、株式会社設立登記申請のために用意したものをそのまま使用できます。
取締役等住所非公開措置用に新たに取得する必要はありません。
株式会社が受取人として記載された配達証明書及び郵便物受領証
会社の住所が実在することを証明するために、会社住所宛の郵便物が届くことを証明する書類が必要になります。
具体的な手順は以下の通りです。
- 転送不可の郵便物を受け取れるオフィスと契約する
- オフィス宛のはがきを用意する
- 郵便局で「配達証明」「普通書留」で送るよう依頼して郵便物受領証を受け取る
- オフィスに届く郵便物を受け取る
- 送付から1週間ほど後に送らてくる配達証明書を受け取る
転送不可の郵便物を受け取れるオフィスと契約する
まずはオフィスが無いと始まりません。
代表取締役等住所非表示措置のためには、転送不可の郵便物が受け取れるオフィスと契約する必要があります。
レンタルオフィスおよびバーチャルオフィスでは、そのあたりの確認が必要です。
会社住所についは
こちらの記事もご参照ください。
オフィス宛のはがきを用意する
宛先がオフィスの郵便物を用意しましょう。
宛先には株式会社名が必須です。
筆者は宛先を「株式会社ロジック推し御中 青山公士様」としました。
レンタルオフィスを個人名で借りていたのですが、これで無事に届きました。
郵便物は、
定型のはがきで充分です。
送り主には、配達証明書を届けて欲しい住所を指定します。
自宅が良いでしょう。
郵便局で「配達証明」「普通書留」で送るよう依頼して郵便物受領証を受け取る
はがきを持って郵便局へ行き、窓口で
「配達証明」「普通書留」で送りたい旨を伝えましょう。
1000円程度必要です。
なお筆者が利用した郵便局では、電子マネーによる支払いができました。
手続きが済むと、領収書と、郵便物受領証が受け取れます。
これが
「株式会社が受取人として記載された郵便物受領証」になります。
オフィスに届く郵便物を受け取る
オフィスではがきを受け取りましょう。
この郵便物自体は申請には使用しませんが、配達証明書が届くまで念のために保管しておきましょう。
配達証明書を受け取ってしまえば破棄しても大丈夫です。
送付から1週間ほど後に送らてくる配達証明書を受け取る
送付から1週間ほど経過してから、郵便局から配達証明書が自宅(送り主)に届きます。
これが
「株式会社が受取人として記載された配達証明書」になります。
筆者には、この1週間がとても長く感じました。
オフィスに届いてから2日後くらいに届きそうな感覚をもっていたためです。
実際にはそれより数日長くかかりました。
これは標準的な日数のようです。
以上で
「株式会社が受取人として記載された配達証明書及び郵便物受領証」がすべて揃いました。
実質的支配者の本人特定事項についての申告受理及び認証証明書
「実質的支配者の本人特定事項についての申告受理及び認証証明書」は、
定款認証にて、認証された定款と一緒に受け取れます。
起業する本人が問題ないことを、公証人が証明してくれる書類です。
念のため、定款認証時に、
認証された定款と一緒に「実質的支配者の本人特定事項についての申告受理及び認証証明書」を受け取れるかは、
確認しておきましょう。
書類はホチキスで止めてまとめる
用意した「株式会社が受取人として記載された配達証明書及び郵便物受領証」と
「実質的支配者の本人特定事項についての申告受理及び認証証明書」は、
株式会社設立登記申請書といっしょにまとめて、ホチキス止めします。
具体的な方法については、利用している
会社設立サービスの記載に従いましょう。
こちらの記事にも詳細を記載していますので、ご参照ください。
代表取締役等住所非表示措置を申し出られるタイミングは少ない
代表取締役等住所非表示措置を申し出るタイミングは、代表取締役の増減や自宅引っ越しなど、新規または変化があった場合に限られます。
つまり、株式会社設立登記申請のタイミングを逃すと、なかなか申請できません。
そのため、迷っている方は、
株式会社設立登記申請のタイミングで申し出ておくことをお勧めします。
まとめ
本記事では、起業の申請を行う際に、
代表取締役等住所非表示措置を申し出る方法について、
株式会社設立登記申請書の追加記載内容、用意する書類とその方法を解説しました。
2024年10月に始まったばかりの制度だからということもあるのでしょう。
会社設立サービスは対応しておらず、ネットの情報も少なく、法務局に記載の情報は用語がわからず、とても苦労しました。
そんな中でもなんとが実現できましたので、実績に基づいた記事にできました。
本記事が、少しでも起業の手助けになりましたら幸いです。
補足
・会社情報を誰でも入手できるとしましたが、そのためにアカウント申請が必要など、実際にはおそらく日本人に限定されます。